品川駅前のホテル跡にパチンコ店ができたのを見たときは、マジがっかりした。
ちょっと前に品川駅前のビジネスホテルが潰れましたが、一時期それがテレビを賑わせていたのが記憶の片隅に残ってる。
従業員が立て籠もって無理矢理営業を続けて、すったもんだの末どうなったのかは僕はよく知らないけど、まあ結果的には潰れたのだろうね。
そのホテル跡に、いつの間にやらパチンコ店が出来てるわけだから。
なんというか、非常にもったいないというか。
出来れば、ちょっと大きめの本屋が出来てくれたら嬉しかったし、その本屋の中に多くの学生とかビジネスマンが立ち寄ってる姿を見れば、なんとなく「日本もまだまだ大丈夫だろう」という気にはなったかもしれないのに。
建物という箱は、その中に箱に応じた「場」を作る。
そして場に応じた人が集まる。
パチンコ店は結局のところ、金と欲望が動く「場」でしかない。そこに集まる人は、そういうのが好きな人間。
もし本屋だったら、知識であったり向上心であったり楽しみであったり、そういったポジティブなエネルギーが集まる「場」が作られ、そこに集まる人はきっと本好きな人。そして本好きに悪い人はいない(まあコレは僕の偏見も多分に含まれているけどね)。
「本は、これから (岩波新書)」という本がある。
著者はひとりではなく、37人の知識人らが本についての自分の想いを書き綴った書籍。
この中で、池上彰さんはこう書いている。
『私流の、「これから発展する国の見分け方」を編み出しました。書店が多数あり、国民が読書にふける国は発展する、というものです』(P.13)
そしてこうも書いている。
『かつて1960年代から70年代にかけて、日本を訪れた欧米人は、電車の中で熱心に本を読む人の多さに驚いたといいます。「これで日本発展の秘密がわかった」と述懐した人もいます』(P.14)
今の日本は、熱心に本を読んでいる人はどのくらいいるんだろう。
(個人的には子供が何かに集中するのは良いと思ってる。それがゲームであろうと。問題なのは、場所を弁えていないことだし、それを親が躾けていないこと。)何かに対して不満を持ちながら、周囲にはただ文句や愚痴を言うばかり。
ラオスの独裁政党は、私が見るところ、国民に対して、いわば”愚民政策”をしているように見えます。(中略)なまじ国民が多用な情報を得ると、政府の方針に反対する動きが出かねない。本を読む習慣が身につかず、古今東西の思想に触れることがなければ、統制は容易になる、というわけです。ラオスが経済発展を遂げているというニュースを、その後も耳にしない理由が、これで分かるような気がします。(p.13)