ITエンジニア お仕事

社員に対するUX

あー、人が足りない

将来はエンジニア不足になる、と、まことしやかにささやかれ始めて久しい。
IT系の界隈では多くの人が「エンジニア不足、エンジニア不足」と、誰かがどこかで聞いたことを真似してしゃべてる。
オウムか。
まあ、今後もITに関わる仕事が増えてくる以上、不足するのは当たり前なのだろうけれど、しかしエンジニアなら誰でも言い、という訳では無いと思うの。
不足しているのは「エンジニア」ではない。不足しているのは「優秀なエンジニア」でしょ。

僕が今勤めている会社も、まあそれはそれは人が足りない。あ、正確に言うと「そこそこでもいいから出来る人」が足りない。
弱小の中小企業ゆえ、優秀な人は出て行き、新しいのが入ってくる。そしてこの新しい人たちのスキルというのが、もう、大変。

キーボードが使えない人もやってくる。……まじか、ってなもんですよ。

なんでこうなった……
まあ、最近の若い人はフリック入力だからね。
てか、もしかするとスマホで仕事させた方が効率が上がるのか。あるいは音声入力も良いかもしれない。……なんつって。

で、なにをかこうとしたんだっけ。

そうそう。
なぜ、うちの会社は人が不足しているのか。
単純に、うちの会社の中なりに優秀な人が退職し、そこを補填するためにフリック入力しか出来ないような、通称フリッカーを入れてしまう、その悪循環に陥っている。

ではなぜ、優秀な人が辞めていってしまうか。
そりゃもう、「つまらないから」の一言に尽きる。

小さい会社の中にあってもそこそこ偉くなってしまった人は、どうも自分たちが社員よりエラくなってしまったと勘違いするのでは無かろうか。
そのエラい人たちは、他の社員を「評価」しているつもりでいる。
まあ、半期に一度の考課面談もあるし、本社からの指示を部下達に伝えるという役割を担っている。
そういった営みの積み重ねが、いわゆる「スタンフォード監獄実験」の看守と囚人のような関係になってしまうのかもしれない。
それ故の、勘違いが起きる。

本当は、そんなことはないんだけどね。
深淵をのぞくとき、深淵もまたこちらをのぞいている……というように、社員を評価するとき、社員もまた会社を評価しているのだよ!

優秀な社員が辞めていく。それは、その会社がその社員をとどめておくだけの能力がなかった、それにつきる。
仕事がつまらないのか、給与が不満なのか、福利厚生が頂けないのか、理由はいくつもあるだろうけれど、会社にそう言った能力が欠如している。
だから人の流出が止まらない。

UX。その言葉を僕が強く認識したのは、去年、2019年に行われたAWS Summitだったと思う。
そのころ勉強をし始めたAWSが面白く、職場の人に無理を言って二日間ほど休みを取り、行かせて貰った。

こういったAWS Summitのようないわゆる展示会のような場所にはあまり行ったことがなかったのだけれど。
いきなりステージでダンスが始まり、カッコいい社長がスピーチをし、展示会場では様々なイベントがあり、二日目の終わりにはちょっとしたパーティ的な催しがあった。

そのなかの何かの講演の中で、「ユーザーエクスペリエンス」と言う言葉が何度も登場したことを覚えていた。
ユーザー体験。
体験を通して、感動、心が揺さぶられれば、「また使いたい」って自然とそうなる。

AWSが高いシェアを維持しているのも、そう言ったユーザの心を動かしているからではないか、と思う。

企業にとって、感動をさせる対象は、顧客だけでは無いはず。
社員。彼らにとってのユーザーエクスペリエンスも、考慮しなければ、社員はその会社に長居はしないのだと思う。

社員は、金を払えばいつまでもいてくれる、とは限らない。エンジニアはと言われる人種は、特に。
面白い仕事、獲得する技術、参画するプロジェクトで得た知見。そう言った物を求める人も多い。

だから、会社は社員も顧客のように、扱わないといけない。特に、うちの会社のようないつ沈んでもおかしくない様なところは。

前々から、会社のお偉いさんにはいろいろ提言しているのだけれど、わかってくれない。
仕事を面白くしようぜ、って。

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